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女々
疲れきった下り電車 もたれかかったトビラにうつる
余裕ないあたしはブラウスの
襟の織り曲がりにも気付かないまま
駅ばさみの長いトンネルを
抜けた瞬間返信するメール
「あたしの事好き?」って いつもあなたを困らせてばかりで
何から何まで知りたがる 尖り気味の親指
共通した価値観に惹かれて
大雑把な血液型で瓜二つ
それでも出し切れない本音があるあたしは
辻褄を執拗に探す 泣きながら
確認するように 身体同士で
抱き合って 満たされるあどけない 愛
悲しくもなるし 不安にもなる
変わり始めのあたしの生活
そんな時 受話器越し聞こえるあなたの声に救われる
眠れない夜に敷くジオラマ 無重力でのキャスティング
あたしも あなたも 笑ってるね
素直になれない共和音
「あたしの事好き?」って いつもあなたを困らせてばかりで
何処から何処まで彷徨って 結局いけずしまい でも
あなたの事好きだよ
伝えきれずに 認め行く言葉は 紙一重
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